とろとろに煮蕩けろ
とろとろに煮蕩けろ
私の人生にクーラーが登場したのは、いったいいつ頃のことであったのだろうか。
小学生の頃は無かった。高校の、少なくとも受験勉強をするような頃には既に自室にクーラーがあった。中学から高校のどこかで自室にクーラーをつけてもらったようであるが、いつのことだったかとんと記憶がない。
そして、夏の記憶としては、クーラー導入以降より、クーラー以前のものの方が圧倒的に多い。まぁ、受験勉強の記憶など覚えていたくないので抹消してしまったせいなのかもしれないが。

夜。
昼間の火照り冷めやらぬ空気は体温とさして変わらない温度で温くまとわりつく。
肌とその外側との区分が不明瞭になってくる。
網戸からゆるゆると外気は入ってくるが、風はほとんどない。
扇風機は微振動音を立てて回るが、ぬるんだ空気を雑駁にかき混ぜるだけで涼気はほとんど感じない。
ジージーとオケラだか虫だかが鳴く音が耳について、夜中に目を覚ます。
ワックスの剥げた、ささくれた板張りの床に足を下ろす。窓から見える隣家の屋根瓦。その黒々とした表面を高く上った月の光が舐めるように照らしている。
月の他に光源はない。桿体細胞が描く世界は、輪郭だけの白黒の線画だ。
寝入る前に点火したときよりもだいぶ輪が小さくなった蚊取り線香から、白くおぼろげな煙が立ち上る。薄く定まらない煙りを貫き月がチンダル現象の光路を描く。
じっとりと汗ばんだ肌にじれながら、ベッドの中でぼんやりとしている。
タオルケットは蹴飛ばして丸まって足元かどこかに消え果ている。
揺らめく蚊取り線香の煙りの軌跡をしばらく眺め、知らぬ間にまた、眠りに落ちている…

小学生の頃の、まだ私の人生にクーラーが登場する前のありふれた夏の夜の記憶がありありと思い出せる。
遠い昔の頃の思い出の方が鮮明なのは、なぜなんだろう。

で、なんでそんなことを唐突に思い出したかといえば。
今、実験をしているからである。
なんの実験かといえば、今年の夏はクーラーを使わずにどこまでいられるか、である。
平日の昼間は会社なのでノーカウント。休日のフルタイムと平日の夜を対象とした実験である。
ここのところ、夜は0時過ぎでも30℃を下回ったことがない。今は22時頃であるが34℃ある。
風呂上りに冷水シャワー浴びて、あとは扇風機で今のところ何とかなっている。
夜間のクーラーを我慢したところでピーク時消費電力の節約には何ら寄与しないが、自らの対熱性の試験の位置づけで実施している。
就寝時気温が34℃以下であり、扇風機も稼働していれば、特に支障なく眠れている。忙しい日は残業で、そうでない日は筋トレで適度に疲れているので、多少暑くてもよく眠れる。

ステッパー23分
腕立て(ワイド)31×3
チューブローイング31×3
ヒップレイズ31×3
クランチ31×3
腹式呼吸10×3

室温34℃でステッパー踏んだり腕立てやると、滝汗世界を堪能できる。

今日は久々に定時退社したのでまだ外が明るい時間にうちに帰れた。
画像1はコリアンダー。コリアンダーはあと2つ苗があるが、秋に種を撒いた一番早く育っていた株が結実して枯れた。何粒かは今年の秋の種まき用に残すが、残りはコリアンダーシードとして料理に使う。潰してクミンパウダーと一緒に油で炒めるとカレー粉を使わなくてもすごくカレー風味になって美味しいのだ。
これでルーを使わないカレーとか作りたいなぁ。

画像2は自家採取種で育てたコモンマロウ。朝は開花したばかりで綺麗に咲いていたが、一日酷暑に晒された後の夕方に撮影したので、いささか花がくたびれている。この花を摘んでお茶にすると、味はともかく見た目に楽しい茶になる。味はそんなに自己主張はないのだが、レモン汁を加えるとパッとピンク色に染まるのだ。

日曜に作ったジェノベーゼであるが、冷蔵では1週間以上保存しないことにしているので、日曜から毎朝ジェノベーゼをパンに塗って焼いて食べている。
一昨日はミニフランスパンに塗って食べたが、昨日からカンパーニュを切ってジェノベーゼ塗って焼いて食べている。
…カンパーニュには、ジェノベーゼはあまり合わないような気がする。
というか、普通のバタールやバゲットとジェノベーゼがマリアージュ的に合い過ぎるので、それと比較すると相性があまり良くないように思えるだけかもしれないが。
カンパーニュはライ麦が入っていて酸味がある。この酸味は、ジェノベーゼとはあまり相性がよくないような気がする。不味いというほどではないのだが。
で、昨日、あまりカンパーニュとジェノベーゼが旨くマッチングしなかったので、今日はクミンを振ってみた。なんでもクミンふりゃいいだろうと思っているわけでもないのだが、とりあえずカレー味は万能なのだ。
結果的に、なかなか悪くない仕上がりとなった。明日はコリアンダーシートも加えてさらにエスニック色を強めてみる予定。
しかし、日曜にバジルを剪定してジェノベーゼを作ったばかりであるのに、もうかなり伸びてきてしまっている。爆殖である。
放置したらもう花芽になってしまいそうな芽があるので、早いところ摘まねばならない。今週土日は家族旅行なのだが、来週まで持つだろうか。週の半ばでもとりあえず花芽に分化しつつある先端だけは摘んでおくべきか。

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