アラスカでオーロラ(2)
2013年2月15日 日常
アラスカ大学の博物館へ。
ここは博物館系好きにはお勧めのスポットである。正直、45分では全然時間が足らなかった。ただ展示品の説明が無ければ、ざっと流し見て「ふーん」で終了かもしれん。展示品には英語の録音音声ガイドは付いているのだが、あいにくのプア語学力ではそんなものは役に立たない。ガイド氏の日本語の説明があってよかった。ツアーの利点である。
星野道夫氏の話とかクマの話とかオーロラの原理の話とか先住民の話とか色々聞いたが、それを事細かに書いていると時間がいくらあっても足りないのでクマと先住民のトーテムの話だけ。
クマについては、いわゆる巨大グリズリーが居るのはアラスカの沿岸部であり、内陸には(比較的)小柄なクマしかいないとのこと。その理由は、沿岸部は鮭が大量に遡上するので餌が豊富な沿岸部では巨大クマが適応した。一方内陸部の川には鮭があまり上がってこないので、クマの体格は小柄なんだとか。
北海道の羆がクソデカいのは、鮭を思う存分に貪り食ってるからなんだな。
先住民は白頭鷲をトーテムとする集団とワタリガラスをトーテムとする集団が居て、配偶者は自分と異なる集団からもらう必要があった、とのこと。ワタリガラスはトーテムとしてだけでなく、ネイティブの神話というか精神世界においても非常に重要というか霊性が高いとされるポジションにいる動物のようである。
白頭ワシはアメリカの国鳥でもあり、ぱっと見も見るからにエラそうな感じなので重要な位置に置かれるのはなんとなくわかるのだが、ワタリガラスがネイティブの精神世界でそれほど重要な位置を占めるというのは若干意外な感じがする。少なくとも現代日本の感覚では、カラスはそれほど敬意や畏敬に値する鳥類として扱われることはない。まぁ、八咫烏についてはさておく。
現代日本における一般的なカラスのイメージとしては、ゴミを漁る、悪戯をする(繁殖期に巣に近づくと襲われる)、不吉、といったものであろうか。また、姿も、特に都市部に多いハシブトガラスはくちばしも含めた頭と体のサイズバランスが悪くてどうにも不恰好である。飛行も余り上手くない(少なくとも、滑空は得意ではない。以前、海沿いの風の強いところでカラスと鳶が飛んでいるところを見たが、鳶が悠々と滑空するのに対してカラスは頻繁に羽ばたいてやっと姿勢や高度を保てていなかった)。
しかしワタリガラスはいわゆるカラス(Crow)とは別物の、もっと大型のもの(Raven)であり、ポーの大鴉もワタリガラスである。アラスカンネイティブのワタリガラス神話については星野道夫氏の書籍に詳しいようなので、今度図書館に行ったときに探してみたい。また、wiki先生によるとワタリガラスは北欧神話では主神オーディンの斥候を務め、聖書でノアが洪水の後に鳩の前に放ったのもワタリガラスだとか。
カラスと神話でぐぐって引っかかったサイト↓によると、
http://nakara.shokokai-tochigi.or.jp/karasubook/tokusyu/shinwa.htm
カラス(ワタリガラス)は北方先住民系の神話では創世者(神というほど偉くはない)的存在らしい。
話が飛んだが。
画像1は永久凍土から掘り出されたバイソンのミイラ。しっかり肉が残っている。尻にはライオンの歯跡がある。そう、ライオンである。アラスカもかつては温かく、ライオンが居た時代があったのだ。
画像2はネイティブ・アート。他にももっとそれっぽい代物があったが、この羽根羽根マスクの形状が妙にツボに入ったのでこれを撮影した。
画像3はオオカミ。カッコいい。
アラスカ大博物館で色々見た後、昼食の中華料理バイキングへ向かった。
高級レストランとは言い難い店構えであるが、種類は豊富だし味も悪くない。アメリカであることと、アラスカ内陸の高々人口3万人の小さな町であることを考えたら上等と評価してもいいレベルだと思われる。
人口3万って日本じゃ市のレベルではなく、町村のレベルである。
昼食のバイキングは時間が無かったので写真無し。
昼食の後、フェアバンクス発祥の地とされる小さい公園も見に行ったが、特にそそられるものもなかったので写真は撮っていない。雪がかなり降っていて、公園の横を流れるチナ川は完璧に凍りついていて白い道と化していた。
その後、アラスカのパイプラインも見に行った。これは写真1枚撮ってあるが、面白みのない写真なので割愛する。このパイプラインは一応、万里の長城に次ぐ、世界第二位の長さを誇る人造建築物なんだそうな。後、地震で壊れないようにわざとジグザグにして冗長性を持たせてあるとか、粘性が低い重油を寒い地方を経由する配管で運ぶためにパイプの内部は高温にしてあるが、その熱で永久凍土を溶かして地盤沈下させないようにパイプを高架式にして且つクーラントで放熱を抑えてもいる、とか。
パイプライン見学もサクサク終わり、後は一路、チナ温泉へ。
フェアバンクスからチナ温泉までは約100km。1時間強ぐらいかかったと思うが、疲れ切っていたのでほとんど寝ていた。チナ温泉に付いたのは現地時間16時前後だっただろうか。
その(3)へ続く
ここは博物館系好きにはお勧めのスポットである。正直、45分では全然時間が足らなかった。ただ展示品の説明が無ければ、ざっと流し見て「ふーん」で終了かもしれん。展示品には英語の録音音声ガイドは付いているのだが、あいにくのプア語学力ではそんなものは役に立たない。ガイド氏の日本語の説明があってよかった。ツアーの利点である。
星野道夫氏の話とかクマの話とかオーロラの原理の話とか先住民の話とか色々聞いたが、それを事細かに書いていると時間がいくらあっても足りないのでクマと先住民のトーテムの話だけ。
クマについては、いわゆる巨大グリズリーが居るのはアラスカの沿岸部であり、内陸には(比較的)小柄なクマしかいないとのこと。その理由は、沿岸部は鮭が大量に遡上するので餌が豊富な沿岸部では巨大クマが適応した。一方内陸部の川には鮭があまり上がってこないので、クマの体格は小柄なんだとか。
北海道の羆がクソデカいのは、鮭を思う存分に貪り食ってるからなんだな。
先住民は白頭鷲をトーテムとする集団とワタリガラスをトーテムとする集団が居て、配偶者は自分と異なる集団からもらう必要があった、とのこと。ワタリガラスはトーテムとしてだけでなく、ネイティブの神話というか精神世界においても非常に重要というか霊性が高いとされるポジションにいる動物のようである。
白頭ワシはアメリカの国鳥でもあり、ぱっと見も見るからにエラそうな感じなので重要な位置に置かれるのはなんとなくわかるのだが、ワタリガラスがネイティブの精神世界でそれほど重要な位置を占めるというのは若干意外な感じがする。少なくとも現代日本の感覚では、カラスはそれほど敬意や畏敬に値する鳥類として扱われることはない。まぁ、八咫烏についてはさておく。
現代日本における一般的なカラスのイメージとしては、ゴミを漁る、悪戯をする(繁殖期に巣に近づくと襲われる)、不吉、といったものであろうか。また、姿も、特に都市部に多いハシブトガラスはくちばしも含めた頭と体のサイズバランスが悪くてどうにも不恰好である。飛行も余り上手くない(少なくとも、滑空は得意ではない。以前、海沿いの風の強いところでカラスと鳶が飛んでいるところを見たが、鳶が悠々と滑空するのに対してカラスは頻繁に羽ばたいてやっと姿勢や高度を保てていなかった)。
しかしワタリガラスはいわゆるカラス(Crow)とは別物の、もっと大型のもの(Raven)であり、ポーの大鴉もワタリガラスである。アラスカンネイティブのワタリガラス神話については星野道夫氏の書籍に詳しいようなので、今度図書館に行ったときに探してみたい。また、wiki先生によるとワタリガラスは北欧神話では主神オーディンの斥候を務め、聖書でノアが洪水の後に鳩の前に放ったのもワタリガラスだとか。
カラスと神話でぐぐって引っかかったサイト↓によると、
http://nakara.shokokai-tochigi.or.jp/karasubook/tokusyu/shinwa.htm
カラス(ワタリガラス)は北方先住民系の神話では創世者(神というほど偉くはない)的存在らしい。
話が飛んだが。
画像1は永久凍土から掘り出されたバイソンのミイラ。しっかり肉が残っている。尻にはライオンの歯跡がある。そう、ライオンである。アラスカもかつては温かく、ライオンが居た時代があったのだ。
画像2はネイティブ・アート。他にももっとそれっぽい代物があったが、この羽根羽根マスクの形状が妙にツボに入ったのでこれを撮影した。
画像3はオオカミ。カッコいい。
アラスカ大博物館で色々見た後、昼食の中華料理バイキングへ向かった。
高級レストランとは言い難い店構えであるが、種類は豊富だし味も悪くない。アメリカであることと、アラスカ内陸の高々人口3万人の小さな町であることを考えたら上等と評価してもいいレベルだと思われる。
人口3万って日本じゃ市のレベルではなく、町村のレベルである。
昼食のバイキングは時間が無かったので写真無し。
昼食の後、フェアバンクス発祥の地とされる小さい公園も見に行ったが、特にそそられるものもなかったので写真は撮っていない。雪がかなり降っていて、公園の横を流れるチナ川は完璧に凍りついていて白い道と化していた。
その後、アラスカのパイプラインも見に行った。これは写真1枚撮ってあるが、面白みのない写真なので割愛する。このパイプラインは一応、万里の長城に次ぐ、世界第二位の長さを誇る人造建築物なんだそうな。後、地震で壊れないようにわざとジグザグにして冗長性を持たせてあるとか、粘性が低い重油を寒い地方を経由する配管で運ぶためにパイプの内部は高温にしてあるが、その熱で永久凍土を溶かして地盤沈下させないようにパイプを高架式にして且つクーラントで放熱を抑えてもいる、とか。
パイプライン見学もサクサク終わり、後は一路、チナ温泉へ。
フェアバンクスからチナ温泉までは約100km。1時間強ぐらいかかったと思うが、疲れ切っていたのでほとんど寝ていた。チナ温泉に付いたのは現地時間16時前後だっただろうか。
その(3)へ続く
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