アラスカでオーロラ(11)
2013年2月16日 日常
犬ぞりの後、今日はまだ日が明るいうちに温泉へ。その後仮眠を取り夜に備える。
画像1は2/9の夕食。ステーキである。テンションが上がる。やはり肉は良い。
もう年なので松阪牛や飛騨牛のようなサシが入りまくった蕩けるような脂肉は食いたいと思わない。赤身で且つ、軟らかい肉が良い。その意味で理想的なステーキであった。ミディアムレアでソフト&ジューシーで且つそれほど脂ギッシュではなく、実にうまかった。
食後、今日は雪上車で山頂まで登ってのオーロラ鑑賞なので、前日より早めの9:30にアクティビティ・センターに集合する。
チナ温泉宿泊組だけでなく、フェアバンクスのホテルに宿泊してオーロラ鑑賞に来ているツアー客もいてかなりの人数であった。雪上車6台を連ねての大行列である。
車高が高い雪上車に着ぶくれして動きにくい体でえっちらおっちら乗り込んだ後、三脚のネジが一本抜け落ちてしまっていることに気付いた。
どうやらアクティビティセンターで落としたようだ。
…Oh
幸い、三脚とカメラを固定する部分のネジではなかったが、このネジの脱落のため、この日の撮影ではカメラが常時傾いたままで撮影する羽目になった。三脚の足の長さを調整してなるべく水平に近い状態での撮影も試みたが、カメラを水平にしようとして三脚の足を1本短くすると、不安定で倒れそうになる。
雪にぶっ刺して固定はするのだが、長時間露光なのでちょっとグラッとゆれると立ちどころにボケてしまう。この日の山頂撮影では苦労した。
雪上車については……なかなか凄まじい乗り心地。走行中にしゃべったら舌をかみそうなレベルで振動振動シェイクシェイク。夕食時にステーキと一緒に生ビールを嗜んだのだが、うっかりすると胃の中からビールが喉からこんにちわしそうな勢いだったので、うっかりしないように走行中はずっと上を向いていた。
上を向いて走行。涙がこぼれないように、ではなく、××がこぼれないように。
途中、6台の雪上車のうち1台が故障して走行不能になるトラブルがあって遅れ、通常20~30分で到着するはずの山頂にはかなり時間がかかった。記録まではしていないが40分以上かかったような気がする。
ただ、道中のロスタイムはそれほど問題ではなかった。何故なら……
曇っていたから。
山頂なので光源はない。アクティビティセンター北の滑走路もかなり暗かったが、それよりはるかに真っ暗である。それでも闇の中に5分も突っ立っていると雪明りでぼんやりと立木の位置ぐらいはなんとなくわかるが、それでも暗い。まさに真の暗闇である。
せっかくガタガタ揺られて山の上くんだりまで来たというのに夜空は曇天。空の端の方にわずかに雲の切れ目は見えたが、ほぼ全面塗りつぶしたように雲で覆われていた。
……暇だ。やることがない。
この山頂には遊牧民のゲルもしくはパオのような丸型の大型テントがあり、そこが待機場所になっている。暖房器具が薪ストーブなので、ちゃんと燃え始めるまではテント内は非常に煙かった。
燃え始めて徐々に煙臭さは薄れていったテント内で雲が切れるのを待っていたが、照明がランタンなので暗い。作業する上では支障ない程度の光度はあるが、本なんかは読めそうにない暗さであった。
温かくても、椅子にただ座ってじっとテント内で待機するのはどうも性に合わなかったので、早々にテントを出て撮影スポット探しに向かった。
しかし山頂は冷えるかと思ったが、存外寒くない。風が無いせいか、とも思ったが、気温を見てみると0℃。この地方の夜間気温としてはありえない温かさである。さほど寒くないので、どっしりと腰を据え、カメラテストを兼ねて何枚か曇天の夜空画像を撮影した。
23時後半になって東の方に若干雲の切れ間が出来たのですかさず撮影。
そのうちの1枚が画像2である。
画像2:23時59分。東北東ぐらい。ISO400、30秒。滑走路では15秒でそこそこ撮れたが、山頂は暗いので30秒以上露光しないとしっかり写らない。
なお、中央に写っている明るい星については、今調べてみたらどうやらうしかい座のα、春の大三角形の一角、一等星のアルクトゥルスのようだ。この写真は縮小掛けているので見えないが、元画像ではアルクトゥルスの斜め上にうしかい座の五角形の部分も見える。
オーロラ画像に写ってる星が気になって↓で写真に写ってる星や星座を調べて遊んでいたら中々面白かった。
http://www.stellatheater.com/
0時前に画像2を始めとし、東の方面の雲の切れ間を撮影していたが、その切れ間もあっという間に雲にふさがれてしまった。星ひとつ見えない状況ではさすがに撮る気にならない。また、ちょっと小腹が空いたので一旦テントに戻った。
テントには常時コンロで湯が沸かしてあり、また紅茶、珈琲、カップ麺などが「ご自由にお食べください」状態で供されている。粉末タイプのアップルティーを淹れてもらって飲んだ。非常に甘かったが、寒い中にしばらく居たので強い甘さが甘露であった。
ちょっと甘い物を取ったら、本格的に腹が空いてきた。せっかくなのでカップ麺も食べた。マルちゃんだった。山頂で気圧が低く沸点が低いのか、あるいは単に時間が早かったのか、麺はかなりアルデンテ(芯あり)だった。
テント内で小一時間時間を潰していると、外から
「今、凄く綺麗ですよ~」
という声が掛かった。
オーロラが出たのかっ
テント内に居た人間が一斉に腰を浮かす。だが、
「星が」
続く言葉に「オーロラじゃねーのかよっ」と皆の浮かした腰が一斉にがくっと落ちた。
だがまぁ、オーロラはまだ見えなくても星が見えるということは晴れてきたということだ。上手くいけばオーロラチャンスはあるかも、ということでテントを出た。
しかし東西南北いずれもオーロラの緑光は確認できない。
ただ星だけは降るように瞬いていた。まさに金銀砂子である。
せっかくなので星写真でも撮るか。そういえばGRのインターバル合成機能の使い方を昼間の仮眠前に取り説で読んだっけ、と南の方にカメラを向けてしばらく星写真を撮ろうと試みていたが、背後からどよめきが聞こえてきた。
何事かと北の夜空をふり仰いだら。
オーロラが出ていた。
画像3:24時57分。緑光は弱いが、滑走路では見ることができなかった緑以外の赤みを帯びたカーテンが写っている。ISO400、30秒。
画像3:
画像1は2/9の夕食。ステーキである。テンションが上がる。やはり肉は良い。
もう年なので松阪牛や飛騨牛のようなサシが入りまくった蕩けるような脂肉は食いたいと思わない。赤身で且つ、軟らかい肉が良い。その意味で理想的なステーキであった。ミディアムレアでソフト&ジューシーで且つそれほど脂ギッシュではなく、実にうまかった。
食後、今日は雪上車で山頂まで登ってのオーロラ鑑賞なので、前日より早めの9:30にアクティビティ・センターに集合する。
チナ温泉宿泊組だけでなく、フェアバンクスのホテルに宿泊してオーロラ鑑賞に来ているツアー客もいてかなりの人数であった。雪上車6台を連ねての大行列である。
車高が高い雪上車に着ぶくれして動きにくい体でえっちらおっちら乗り込んだ後、三脚のネジが一本抜け落ちてしまっていることに気付いた。
どうやらアクティビティセンターで落としたようだ。
…Oh
幸い、三脚とカメラを固定する部分のネジではなかったが、このネジの脱落のため、この日の撮影ではカメラが常時傾いたままで撮影する羽目になった。三脚の足の長さを調整してなるべく水平に近い状態での撮影も試みたが、カメラを水平にしようとして三脚の足を1本短くすると、不安定で倒れそうになる。
雪にぶっ刺して固定はするのだが、長時間露光なのでちょっとグラッとゆれると立ちどころにボケてしまう。この日の山頂撮影では苦労した。
雪上車については……なかなか凄まじい乗り心地。走行中にしゃべったら舌をかみそうなレベルで振動振動シェイクシェイク。夕食時にステーキと一緒に生ビールを嗜んだのだが、うっかりすると胃の中からビールが喉からこんにちわしそうな勢いだったので、うっかりしないように走行中はずっと上を向いていた。
上を向いて走行。涙がこぼれないように、ではなく、××がこぼれないように。
途中、6台の雪上車のうち1台が故障して走行不能になるトラブルがあって遅れ、通常20~30分で到着するはずの山頂にはかなり時間がかかった。記録まではしていないが40分以上かかったような気がする。
ただ、道中のロスタイムはそれほど問題ではなかった。何故なら……
曇っていたから。
山頂なので光源はない。アクティビティセンター北の滑走路もかなり暗かったが、それよりはるかに真っ暗である。それでも闇の中に5分も突っ立っていると雪明りでぼんやりと立木の位置ぐらいはなんとなくわかるが、それでも暗い。まさに真の暗闇である。
せっかくガタガタ揺られて山の上くんだりまで来たというのに夜空は曇天。空の端の方にわずかに雲の切れ目は見えたが、ほぼ全面塗りつぶしたように雲で覆われていた。
……暇だ。やることがない。
この山頂には遊牧民のゲルもしくはパオのような丸型の大型テントがあり、そこが待機場所になっている。暖房器具が薪ストーブなので、ちゃんと燃え始めるまではテント内は非常に煙かった。
燃え始めて徐々に煙臭さは薄れていったテント内で雲が切れるのを待っていたが、照明がランタンなので暗い。作業する上では支障ない程度の光度はあるが、本なんかは読めそうにない暗さであった。
温かくても、椅子にただ座ってじっとテント内で待機するのはどうも性に合わなかったので、早々にテントを出て撮影スポット探しに向かった。
しかし山頂は冷えるかと思ったが、存外寒くない。風が無いせいか、とも思ったが、気温を見てみると0℃。この地方の夜間気温としてはありえない温かさである。さほど寒くないので、どっしりと腰を据え、カメラテストを兼ねて何枚か曇天の夜空画像を撮影した。
23時後半になって東の方に若干雲の切れ間が出来たのですかさず撮影。
そのうちの1枚が画像2である。
画像2:23時59分。東北東ぐらい。ISO400、30秒。滑走路では15秒でそこそこ撮れたが、山頂は暗いので30秒以上露光しないとしっかり写らない。
なお、中央に写っている明るい星については、今調べてみたらどうやらうしかい座のα、春の大三角形の一角、一等星のアルクトゥルスのようだ。この写真は縮小掛けているので見えないが、元画像ではアルクトゥルスの斜め上にうしかい座の五角形の部分も見える。
オーロラ画像に写ってる星が気になって↓で写真に写ってる星や星座を調べて遊んでいたら中々面白かった。
http://www.stellatheater.com/
0時前に画像2を始めとし、東の方面の雲の切れ間を撮影していたが、その切れ間もあっという間に雲にふさがれてしまった。星ひとつ見えない状況ではさすがに撮る気にならない。また、ちょっと小腹が空いたので一旦テントに戻った。
テントには常時コンロで湯が沸かしてあり、また紅茶、珈琲、カップ麺などが「ご自由にお食べください」状態で供されている。粉末タイプのアップルティーを淹れてもらって飲んだ。非常に甘かったが、寒い中にしばらく居たので強い甘さが甘露であった。
ちょっと甘い物を取ったら、本格的に腹が空いてきた。せっかくなのでカップ麺も食べた。マルちゃんだった。山頂で気圧が低く沸点が低いのか、あるいは単に時間が早かったのか、麺はかなりアルデンテ(芯あり)だった。
テント内で小一時間時間を潰していると、外から
「今、凄く綺麗ですよ~」
という声が掛かった。
オーロラが出たのかっ
テント内に居た人間が一斉に腰を浮かす。だが、
「星が」
続く言葉に「オーロラじゃねーのかよっ」と皆の浮かした腰が一斉にがくっと落ちた。
だがまぁ、オーロラはまだ見えなくても星が見えるということは晴れてきたということだ。上手くいけばオーロラチャンスはあるかも、ということでテントを出た。
しかし東西南北いずれもオーロラの緑光は確認できない。
ただ星だけは降るように瞬いていた。まさに金銀砂子である。
せっかくなので星写真でも撮るか。そういえばGRのインターバル合成機能の使い方を昼間の仮眠前に取り説で読んだっけ、と南の方にカメラを向けてしばらく星写真を撮ろうと試みていたが、背後からどよめきが聞こえてきた。
何事かと北の夜空をふり仰いだら。
オーロラが出ていた。
画像3:24時57分。緑光は弱いが、滑走路では見ることができなかった緑以外の赤みを帯びたカーテンが写っている。ISO400、30秒。
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